「ラヂオの時間」を観た
「ラヂオの時間」を観たらすごくおもしかったので感想を書きます。
金曜ロードショーで「カメラを止めるな!」を観た時にそれがめちゃくちゃ面白くて、
どこが面白かったのかというと
生放送のゾンビ映画をやるために監督やら俳優やらスタッフが裏でわちゃわちゃして、前半部分で「ん?なにこれ…」って思ったところを
後半で綺麗に伏線回収するっていうのがすごくて感動したのですが
「ラヂオの時間も似たような感じのお話で面白いよ」と勧められて、観てみることにしました。
お話はというと、上で少し紹介されている通り、
主婦が書いた初めてラジオドラマの脚本が採用されて、そのドラマが生放送で演じられることになったんだけど
主演の人気女優がワガママで役名やらその他設定を変えて欲しいとごね始める。
女優には逆らえないプロデューサー陣が脚本を書いた主婦に頼んで変えてもらうんだけど、
女優の待遇に不満を持った他の俳優たちも動いて、「日本のパチンコ店でバイトをする主婦が漁師に恋をする」というお話が
「シカゴで敏腕の女弁護士として働くメアリージェーンと、宇宙飛行士のパイロット、ドナルド・マクドナルドのバイオレンスストーリー」に変わってしまう。
急な脚本変更なもんだから効果音の準備も間に合ってないし、何より脚本を書いた主婦もいい顔してないし…とにかくドタバタしつつも、最後はなんとかみんながいくラストシーンを作る。
という、ラジオ局だけでお話が展開するちょっと地味な作品だったんだけど、面白かった。
まず、主演の工藤っていうディテクター役の唐沢寿明さんがめちゃくちゃかっこいい。
時代が時代だから髪型とか服装があれなんだけど…でも、濃いピンクのストライプのシャツに白いカーディガンをプロデューサー巻きにして、
ラジオの声優にキューを出したり、裏で走り回ったりしてるところがかっこいい。
ちなみにこの映画で日本アカデミー賞優秀主演男優賞を獲っている。すごい。
この映画にはたくさんの登場人物がいますが、どの人物もそれぞれみんな正しくて。
でも、どこかで妥協しないといけない…っていうのがすごくもどかしいから、登場人物の誰かに感情移入するとすごくイライラする映画だなぁと思った。
主人公的なポジションに置かれてる主婦、もしくはディレクターに感情移入する人が多いと思うから、観るのならぽーっと画面をみて「なにやってんだこいつら…」みたいな気持ちで観るといいと思います。
たくさんの登場人物がいて、その人たちのちょっとした言動が物語をはちゃめちゃにしていくっていうのがすごく面白い映画でした。